122.「まずは練習習慣をつけて、少しずつ時間を伸ばしていきましょう。」2025年2月号
123.「上達するのは毎日練習を続ける子なのですね。」2025年3月号
124.「練習は意欲を育てる場。」2025年4月号
125.「指の都合に合わせるのではなく正確に丁寧に弾くことは大事ですね。」2025年5月号
126.「強制するのでも放っておくのでもない、第3の関わり方。」2025年6月号
127.「ピアノが自分事になっていると、読譜の壁も乗り越えられる。」2025年7月号
128.「発表会は真剣に取り組んで成長することの出来る機会です。」2025年8月号
129.「すぐに出来ないことを楽しむことは、成長する自分を楽しむこと。」2025年9月号
130.「きれいな手の形が上達への近道。」2025年10月号
131.「手の届く目標をつくる。」2025年11月号
132.「快適な場所にとどまらない勇気を育てる。」2025年12月号
133.「自分らしいピアノとの付き合い方を見つけること。」2026年1月号
「まずは練習習慣をつけて、少しずつ時間を伸ばしていきましょう。」2025年2月号
毎日どの位練習すればよいかというのは、難しい問題ですね。練習は、基本的にはやればやるだけ上達するものですから、出来ることならまとまった練習時間を確保するのが良いとは思います。毎日5分練習している子と30分練習している子では、上達のスピードは格段に違いますね。
ただ、そうすることでピアノが嫌いになってしまっては元も子もありません。楽しむためのピアノが嫌いになってしまうのは、どうしても避けたい所ですね。嫌がるのを無理やりやらせるのではなく、ごく普通の生活習慣としてピアノに向かえるようにすることが理想ではあります。ですから、その子の性格やライフスタイルに応じて、たとえ短い時間でも、まずは練習習慣を作ることが、初期の大きな課題なのだと思います。
とはいえ、ずっと短い練習時間に甘んじていると、なかなか上達できないために楽しさを感じられなくなったり、お友達と比べて進度が遅いことが気になって意欲を失くしてしまったりということも、起こり得ます。ですから、最初は短い時間しか練習できなかったとしても、少しずつ長くしていくことを考えるのも大切なことです。
動画サイトで同学年の子どもの演奏を見て、自分にも弾けるのではと考える場合もあると思いますが、おそらく音楽の道を視野に入れている子どもたちの練習量は、何分単位ではなく、何時間単位なのではないでしょうか。練習量の問題だけでなく、教えられたことに忠実に、基礎的な練習を毎日地道に繰り返して、質の高い練習をしているのだろうとも思うのですね。
最終的には、どのくらい練習するのが適切かというのは、その子がどんな風にピアノと関わっていきたいかによって決まるのだろうと思います。そしてそういう意識は最初から決まっているものではなくて、毎日ピアノを弾き続けていくうちに出来てくるものだとも思います。ですから、まずは練習の習慣をつけて、少しずつ練習時間を伸ばしながら、ちょっと大変だけれど無理ではない練習の量と質を確保して、上達を実感できる練習スタイルを作っていけたら素晴らしいですね。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!
「上達するのは毎日練習を続ける子なのですね。」2025年3月号
今回はもっとも基本的な、「毎日練習しましょう」ということの確認です。これはとても大事ですが、なかなか出来ない場合もあります。習い始めた最初のうちは毎日練習出来ていたのに、いつの間にかやらなくなってしまうこともありますね。
テキストが簡単な間は、練習しないでレッスンに来ても何とか弾けるようになりますから、それでよいのだと思ってしまうかもしれないのですが、このやり方はわりとすぐに通用しなくなります。テキストは進むにしたがって難しくなりますから、その場ではなかなか出来なくて進まなくなってしまうのです。
また、レッスンの時に弾けて合格すればそれでよいのだと考えてしまいがちでもあるのですが、少しずつ積み重ねて身につけたものと、その時何となく出来たことの間には大きな違いがあって、これは基礎力の差となっていずれ表に現れてきます。
これではまずいと気づいて毎日練習するようになれば、それも良い経験だったということになると思いますから、気づいた時点で毎日の練習習慣をつけたいですね。とはいえ一番楽で簡単なのは、習い始めに習慣をつけてそれを持続させていくことではないかと思います。
分からないことがあって練習出来ない場合もあると思いますので、その時は遠慮なくご相談ください。生徒さんをよく見ようと心掛けてはいても、週に1度のレッスンで分かることは限られていますから、保護者の方にお家での様子などを教えていただけることはとてもありがたいのです。
ごく単純に言ってしまうと、上手になる子は毎日コツコツ練習を続ける子です。もちろんプロのピアニストになるには、並外れた才能も努力も必要だと思いますが、おそらく多くの子どもたちは、毎日ある程度の量と質を確保した練習を続ければ、好きな曲を弾いて楽しめる所までは辿りつけると思います。
ご飯の前とかお風呂の後とか、生活リズムのどこかに組み込んで練習を習慣化することもよいと思いますし、さりげなく「今日は練習した?」「そろそろ練習しようか」などと声をかけて練習のきっかけを作っていただくのもよいかなと思います。毎日の練習を習慣づけることは本当に大切な上達への第一歩なのです。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!
「練習は意欲を育てる場。」2025年4月号
ピアノが上手になるために不可欠なのは、本人の意欲です。その子自身の中に上手になりたいという気持ちがなかったら、周りがどんなに手を尽くしてもなかなか進歩しないし、どこかで嫌になってしまうこともありますね。最初はやる気満々でも、しばらくするとやる気をなくしてしまうというのもありがちなことですから、習い始めのうちから意欲を育てることを頭に置いておくのが良いと思います。
「無理やり練習させて嫌になってしまうのは良くない」と考えて、自分から練習しない時にはそのままにしておく場合もあると思いますが、それではいつまでも弾けるようにならなくて、逆に意欲を失わせてしまいます。無理やりやらせるというのは、確かにあまり良い対応ではないと思いますが、そこで練習のさせ方を工夫するのが、周りの大人のサポートなのかもしれません。どこかに楽しさを感じられるような工夫が出来たらいいですね。
「楽しい」という気持ちにも色々な種類がありますが、本当に集中している時の練習の楽しさは、刹那的なものではありません。試行錯誤しながら、熟考したり、何度も繰り返して確認したりする中で感じられる、大変だけれど充実感や満足感や納得感のある楽しさです。簡単に味わえるものではないので、そこに辿り着く前に面倒になったりもするのですが、この楽しさは成長の喜びそのもので、実は子どもたちはこういう楽しさが好きなのではないかと思います。
そんな楽しさに辿りつけるようにするために、まずは練習に何かしらの喜びや心地よさとしての楽しさを感じられるようにできたらいいですね。例えばそばにいてあげること。その時にあたたかい雰囲気でいること。その場にいなくても練習を聴いていて感想を言ってあげること。出来るようになった所を一緒に喜んであげること。本人が気づいていない場合は、出来るようになったねと伝えてあげること。練習したらシールを貼ったりして、今日も練習できたねと、一緒に達成感を感じてあげること。その子のピアノのファンになって、弾いていること自体を楽しむこと。
他にも色々あると思いますが、出来ないことより出来たことに注目しながら、その子のピアノをあたたかく見守ることで、深い楽しさを感じられる所まで練習できるだけの意欲を育てておけたら素晴らしいと思います。
毎日練習することは簡単なことではありませんが、工夫しながら意欲を育てていきたいですね。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!
「指の都合に合わせるのではなく正確に丁寧に弾くことは大事ですね。」2025年5月号
小さい生徒さんたちに時々見られるのは、「弾けているつもり」の弾き方です。ひと言でいえば、指の都合に合わせた弾き方で、テンポが一定でなかったり、リズムが正確でなかったり、不自然にフレーズが切れていたりするのです。これは、指使いを含めて楽譜をきちんと読んでいなかったり、指のコントロールが上手くいっていないために起こるもので、そうならないためにも、レッスンでの注意に耳を傾けて丁寧に練習を重ねることが大事なのですね。
少し大きくなって、毎日をより楽しくするためにピアノを弾く生徒さんたちは、自分の指の都合を優先することがあってもよいと私は思います。(これは賛否両論ある意見だと思いますが。)けれども少なくとも入門期から初心者段階の間は、出来るだけきちんと正確に弾くことを習慣づけたいですね。
もちろん弾けているつもりになって気分よく弾くことで、ピアノの楽しさを感じたり自信をつけたりすることが大切な場合もありますから、どの子にもどの時期にも正確さを求めるのが良いとは言い切れないと思いますが、きちんと丁寧に正確に弾くことで自己満足を超えた演奏に向かえるのは確かで、そういう弾き方をすることで、おそらくより大きな満足感や達成感を感じることが出来ることは頭に入れておきたいですね。
自分の弾くピアノが、周りの人にとっても快いものになることは、嬉しいことだと思います。指の都合に合わせて弾けばストレスは少ないと思いますが、そこでちょっと努力して「弾けているつもり」から抜け出すことは、やり甲斐のある取り組みだと思います。より理解されて喜んでもらえる演奏を目指して、がんばってみましょう。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!
「強制するのでも放っておくのでもない、第3の関わり方。」2025年6月号
「練習には口を出した方が良いでしょうか、それとも子どもに任せた方が良いでしょうか」という質問をいただくことがあります。上手にさせてあげたくて色々言いたくなる気持ちと、その結果逆にピアノが嫌になってしまうのではないかという不安から出てくる大切な質問だと思います。
様々な生徒さんを見ていて感じているのは、子どもとのかかわり方にたった一つの正解は無いということです。その子の性格、家族構成や生活習慣、お家の教育方針、他の習い事との兼ね合い、ピアノとどのように関わっていきたいのかについての考え方等によって、どう関わるのが良いかは全く違うと思うのですね。また成長していくにしたがって、同じやり方が通じなくなることもあります。
ただひとつ頭に置いておくと良いと思うのは、口を出すのでもなく任せるのでもない、第3の関わり方があるということです。強制するのでもなく、放っておくのでもない関わり方で、ひと言でいえば、やる気や可能性を引き出そうとする関わり方があるのですね。
たとえば、練習が習慣になるように話し合ったり声掛けをしたりすることや、練習していること自体をほめることや、その子のピアノを好きになることなど、その子の意欲が増すような関わり方は、色々工夫してみることが出来ますね。これは、子ども自身の成長しようする力や、ピアノが上手になりたい気持ちを信頼して尊重しているから出来ることで、そういう信頼感は、子どもにも伝わると思うのです。子どもは大人の気持ちに敏感ですから、自分は信頼されているのだと感じれば、そんな自分に自信を持って、より信頼されるような行動を取ることも多いのですね。大人は、子どもの出来ないことに目が向きがちですが、ちょっと意識的に出来ている所やがんばっている所を見つけようとすると、おそらく子どもへの眼差しは大分違ったものになるのではないかと思います。
もちろん、常にそんな関わり方をするのが良いということでなくて、思い切り口を出して引っ張ることが必要な時もありますし、さりげなく見守るだけにした方が良い時もあります。必要な時に引っ張ってあげないことでピアノへの自信を無くしてしまうのはかわいそうですから、そんな時はレッスンでも思い切り引っ張っていきたいと思います。
その子が本来持っている上達したい気持ちを実現するための協力を惜しまずに、その時々でより良い関わり方を考えていきたいですね。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!
「ピアノが自分事になっていると、読譜の壁も乗り越えられる。」2025年7月号
何度も繰り返していますが、読譜力はとても大事です。読譜力がないと、短い曲の間はスイスイと進んでいても、少し複雑で長い曲になった途端に壁にぶつかってしまうのです。ですから最初から、読譜が出来るようになることを意識していきたいですね。
読譜力をつけるためには、楽譜の理解ができていることが必要です。まずは鍵盤の上行下行の理解と、それを楽譜に表す際の音の上下の理解、隣同士の音は線の音と間の音が順番に並んでいることの理解が出来ていないと、読譜は出来るようになりません。
そして、手を見ないで楽譜を見て弾く習慣がついていることも大切です。手を見て弾く癖は、楽譜を読まずに覚えて弾く癖を助長してしまいますね。
また、指使いを守る癖がついていることも重要です。適当な指で弾くと、手を見ないと弾けない所が必ず出てきて、手を見て弾く癖につながりますし、楽譜を見ても弾けないから手を見ようという意識につながりかねません。
と、このように気を付けてレッスンを進めていくのですが、それでも読譜に苦労するようになる場合もあります。特に音感が良くて記憶力も良い子どもは、そうなりやすい傾向があります。一音ずつ読むより、もっと簡単で楽なやり方があれば、そちらを使いたくなるのは人間の本能ですね。
ではそうなった時に何が起こるのかというと、そこでピアノに抵抗感を感じるようになる場合と、読譜を克服しようとする場合に分かれるようです。もちろんその気持ちは揺れ動く流動的なものですが、その子の中にピアノが上手になりたいという意志が育っていると、大変で面倒だと感じても、何とか乗り切っていくことが出来ますね。ピアノを弾くことが、「やらされること」ではなく「やること」になっている子は、多少苦しくても、読めるようになるための努力が出来るのだと思います。おそらくそう考えることの出来る子どもの心には、努力すれば出来るようになるという自分への信頼感も育っているのでしょう。そして、何かに集中して取り組む時の、大変だけれど楽しいという感覚も、知っているのだと思います。ですからレッスンでも、そんな気持ちを育てることを意識したいと思っています。
そしてもし、どんなに努力しても苦手意識が消えなかったとしても、ある程度成長してくれば自ずと読めるようになってくる面もありますから、焦らずじっくりピアノを続けていくというのも、ひとつの方法かなと思います。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!
「発表会は真剣に取り組んで成長することの出来る機会です。」2025年8月号
いよいよ発表会が迫ってきました。この教室の発表会は、生徒さんたちを励まして応援する場だと考えていますので、演奏の良し悪しを評価するのではなく、成長しようとしている一人一人の生徒さんたちを、あたたかい眼差しで見守っていただけたらと思います。
そしてその上でのことではあるのですが、演奏する生徒さんたちには、本番はもちろんそれまでの過程においても、本気になってがんばる体験をしてもらえたらと思います。目標に向かって緊張感を持って練習に励む経験は、普段の練習以上に生徒さんたちを向上させてくれます。どれだけ真剣になれるかは、その時々の状況によっても違うと思いますが、もし自分なりのベストを尽くすことが出来たら、そこで得られるものはとても大きいのですね。
発表会の曲はいつもより難しい場合も多いですが、真剣に練習すれば弾けるようになる曲です。本気になって取り組んで弾けるようにした経験や、曲の完成度を高めた経験は、ちょっと大袈裟な言い方をすれば、自分の力で自分の人生をより良く出来ることを知る機会にもなり得ます。それはまた、そういう自分により信頼感を持てるようになることでもありますね。
もちろんベストを尽くすといっても、それぞれの生活の中で出来るだけがんばるということですから、毎日何時間も練習してくださいということではありません。その時の自分の出来る範囲で、たとえ短い時間でも毎日コツコツとやるべきことを積み重ねれば、自ずと到達する地点はあります。逃げることなく真剣に取り組んで、より成長できたら素晴らしいですね。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!
「すぐに出来ないことを楽しむことは、成長する自分を楽しむこと。」2025年9月号
今年の発表会のお話組曲は中3の元生徒さんに作ってもらったのですが、その中に「時間がかかるからこそ音楽はより楽しいものになっていくんだ!」という言葉がありました。ピアノが弾けるようになるまでには時間がかかったり大変だったりしますが、だからこそ楽しいのだと私も思います。
簡単に出来ることではないから楽しいと感じるのは、挑戦する喜びがあるからでしょう。そして挑戦することに喜びを感じるのは、人間が成長したい生き物だからかもしれません。最近は人間が演奏することを意図していない曲というものもあるそうで、わざわざ大変な思いをしなくても音楽ソフトやアプリが素晴らしい演奏をしてくれるのかもしれませんが、やはり自分で苦労して弾けるようにすることには、それ自体に楽しさがあると思うのですね。もし何の苦労もなく完成形が出来てしまうなら、それまでの過程で得られる発見や、それが自分の血肉になっていく実感も得られません。そうやって成長していく喜びを、子どもは大人以上に求めているのではないかと思いますし、どんどんテクノロジーが進化していく未来には、そういう感覚を持てること自体が、充実した毎日をおくるための財産になりそうな気もしています。
もしピアノを通して、大変だけれど楽しいという成長の喜びを感じることが出来るなら、それはピアノにとどまらず、様々な所で生かされそうですね。
大変だったりすぐに出来なかったりするのは、そこに壁があるからです。でもその壁は自分を成長させるための課題でもありますね。乗り越えようと努力し続けている自分は成長し続けているのだと感じられたら、そんな自分がより好きになりそうです。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!
「きれいな手の形が上達への近道。」2025年10月号
きれいな手の形を作ることは、ピアノの上達に欠かせない大切なポイントです。
習い始めの頃は、どうしても腕や手首に力を入れて鍵盤を押し下げるような弾き方になりがちです。でも、そのままにしていると余計な力を使う癖がついてしまい、指そのものの筋肉が育たず、なかなか自由に動かせる「弾ける指」になりません。
「それでも弾けているから問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、その手の形で弾けるのは簡単な曲の間だけです。少し複雑な曲になると、和音を均等に鳴らせなかったり、特定の音に重みをつけられなかったり、速いパッセージがもつれてしまったり、音階が滑らかに弾けなかったりと、さまざまな壁にぶつかります。そうすると「自分は下手だから弾けないんだ」と思って意欲をなくしてしまうことにもなりかねません。
きれいな手の形というのは、見た目を整えるための形ではなく、スムーズに指を動かせる自然な形のことです。余分な力を入れず、手のひらの筋肉を使って、第3関節からしなやかに動かすことができる形、と体験的に感じています。
「正しい」とされる手の形は、音楽の様式や楽器の進化とともに少しずつ変わってきましたし、これからも変化するかもしれません。その中で、今のピアノ教育の中で最も弾きやすく自然だと考えられている形が、テキストに示されている形なのです。
手の形を身につけるには時間がかかりますが、しっかり「弾ける指」を作っておくことは、結果的に上達への近道になります。毎日の練習の中で少しずつ意識して、きれいな手の形で弾けたらいいですね。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信を、さらに大きく育てていきましょう!(^^)!
「手の届く目標をつくる。」2025年11月号
ピアノが上手になる一番の近道は毎日練習することです。ほとんどの生徒さんにはその習慣が身についてきているようで、素晴らしいですね。そこで、「1日30分以上を月に5回以上」という目標を設定して「練習優秀賞」を作りました。
実際にやってみると、「これならできそう」と感じて挑戦している生徒さんもいます。そんな生徒さんにとっては、練習優秀賞がちょうど「手の届く目標」になっているようです。
もちろん、まだ毎日の練習が難しい生徒さんもいますし、実際毎日練習をし続けるというのは大変なことですから、その場合は無理をせず「毎日練習することを続ける」ことを目標にするのが良いと思います。
がんばっている人の存在が刺激になって、「自分もやってみよう」と思うこともあるので、ニュースレターには練習優秀賞の生徒さんの名前を掲載することにしました。けれども、他の人と比べて焦る必要はありません。無理をすると続かなくなってしまうので、自分にできることをコツコツとがんばることが大切ですね。
この取り組みは、子どもたちの意欲を引き出すためのシステムのひとつです。ピアノの上達のために、何よりも大切なのは意欲だと思いますので、強制するのではなく、自然にやる気が生まれるような仕組みを考えていきたいと思います。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てていきましょう!(^^)!
「快適な場所にとどまらない勇気を育てる。」2025年12月号
「コンフォートゾーン」という言葉を耳にすることがあります。ストレスや不安を感じることなく安心して過ごせる領域のことだそうです。これをピアノの学習に当てはめて考えてみると、ムリなく弾ける簡単なレベルの曲ばかりを選んだり、曲の完成度を気にせずに自由に弾くとかいうことになるでしょうか。これも楽しいピアノとの関わり方だと思いますが、これからどんどん上達していく可能性のかたまりである子どもたちの場合は、ずっとここにい続けるのもちょっともったいないのではないかなという気がします。
コンフォートゾーンの少し外側には、「学習ゾーン」とか「挑戦ゾーン」と言われる領域があるそうで、これは、がんばれば出来るゾーンなのだそうです。ピアノで言うと、今やっているより少し難しい曲を弾くとか、もっと美しく弾けるように練習するとか、そのために練習時間を延ばすとかいうことになるでしょうか。発表会に参加するというのも、ここに入るかもしれません。
少し難しくて大変だけれど、最も伸びるのがこの領域だというのは、経験的にも納得できますね。実際、ちょっと難しいけれど弾きたい曲に挑戦している生徒さんたちの目の輝きは素晴らしいです。また、より美しく弾くことに挑戦している生徒さんの目も輝いています。おそらく「学習ゾーン」でちょっと大変でもがんばって上達を実感できることは、ワクワクすることなのだと思います。
優秀練習賞を目指して練習時間を増やした生徒さんたちは、まだ大変さを感じているかもしれませんが、短い期間に目に見えて伸びていますから、上達を実感すればそういう自分にワクワクできるはずですね。
注意しなければならないのは、「学習ゾーン」のさらに外側には「パニックゾーン」なるものがあって、ここは無理をしても出来なくて混乱する危険な領域だそうですから、こうならないように気を付けなければなりません。レッスンでたくさん注文をつけてがんばってもらいたい時というのは、「学習ゾーン」に入ってもらいたい時ですが、そこから「パニックゾーン」に移ることのないように、もしも大変そうなら教えてくださいと保護者の方にお願いしておくのは、やはり大切なことなのだと思いました。
「コンフォートゾーン」は文字通り快適ですから、ここから一歩を踏み出すには勇気がいります。ちょっとした出来事の中に小さな成功体験を見つけて示しながら、踏み出す気持ちを育てていきたいですね。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てていきましょう!(^^)!
「自分らしいピアノとの付き合い方を見つけること。」2026年1月号
なぜピアノを習うのかについては、色々な考え方があると思いますが、私は「上手になること」そのもの以上に、より豊かで幸せな人生を送るためだと考えています。ですから、もしピアノを弾くことで楽しさや喜びや幸せを感じられないとしたら、それは少何か違うかもしれないと感じます。
たくさん練習して、どんどん上達していくというのは、確かにひとつの理想的なあり方です。実際、上手になることで、ピアノがより楽しくなるのも確かです。だからまず、上達することを目指して、毎日それなりの時間をピアノに向き合ってみるという経験を、とてもおすすめしています。努力が実を結ぶ喜びや、弾けるようになる楽しさは、その過程の中でしか味わえないものですね。
でも、もしそれが辛かったり、「上手になること」に意味を見いだせなくなったとしても、それは「ピアノを続けられない」ということではありません。ピアノとの付き合い方、そして「心地よい」と感じる距離感は、本当に一人ひとり違うと思うのです。
とはいえ、ピアノの楽しさは、やはり弾くことの中にしか現れません。たとえ毎日でなくても、たとえ短い時間でも、最低限レッスンで弾くだけでも、ピアノとつながり続けている意味はちゃんとあるのだと思います。
ピアノとの関わり方は、上達を目指すこと以外にも、色々あります。自分にとって無理のない形、心が少し豊かになれる形を、見つけていくことが大切なのですね。
ピアノは、その人の人生に寄り添いながら、様々な形で付き合っていけるもの。「どう弾くか」だけでなく、「どう付き合っていくか」を、これからも一緒に考えていけたら嬉しいなと思っています。
練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てていきましょう!(^^)!