練習する子の育て方2023年

毎月教室で発行しているニュースレター掲載しているコラムのうち2023年のものをこちらにも掲載いたします。

2015年8月から2019年12月までのものはこちらに掲載しております。

2020年のものはこちらに掲載しております。

2021年ものもはこちらに掲載しております。

 2022年ものもはこちらに掲載しております。

【目次】

98.「意欲を持続させるための仕組みや刺激はやはり必要。」2023年2月号

99.「「練習への声掛けは成長したい気持ちへの手助けのひとつ。」2023年3月号

 

「意欲を持続させるための仕組みや刺激はやはり必要。」2023年2月号

何事もそうだと思いますが、ピアノを上達させる力となるものは本人の意欲なのだと思います。「上手に弾きたい」「きれいに弾きたい」「上手になりたい」という気持ちがあるから、毎日の練習を続けられるのですよね。

ピアノを始めた最初の頃は、新しいことへの興味と、すぐに上手になれるのではないかという期待とで、意欲満々です。でもしばらく経つと、そんなに簡単ではないことも分かってくるし、毎日練習することの大変さも分かってきて、意欲が落ちてくるというのもありがちなことですね。読譜力やある程度のテクニックがついて、弾きたいと思った曲に手が届くようになってくればピアノへの取り組み方も安定してきますが、それまでは意欲を持続させるための仕組みや刺激が、やはり必要なのだろうと思います。

レッスンノートを使って毎日の練習の記録をつけたり、certificateを貼ったりすることは、それぞれ意欲を持続させるための仕組みで、上手く機能すればそれなりに力になるのではないかと思います。とはいえやはり毎日のことというのは惰性に走りがちでもありますね。

そういう意味で分かりやすく意欲を上げるものは、やはり発表会ではないかと思います。目に見える目標を作ってがんばろうという気持ちになってもらうことは、発表会の大切なねらいのひとつなのですね。もちろんそれが負担になってピアノが嫌になっては元も子もないので、全ての生徒さんにとって良いとは言い切れないと思いますが、意欲を維持してさらに高めていくためにも積極的に活用していただけたらと思います。

それ以外にも、ピアノを習っているお友達と今練習している曲の話をしたり、お友達同士で弾き合い会をしたりするのも良い刺激になると思いますし、親戚のお家に行った時などに弾いて褒めて頂く経験も、意欲のもとになるのではないかと思います。

子どもの意欲、やる気というものには、波もあるし場合によってはしぼんでしまうこともありますが、仕組みを作ったり意識して刺激を与えたりすることを通して、育てることが出来るものだとも思います。意欲を育てるために、出来ることを色々やっていきたいですね。

練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!

 

「練習への声掛けは成長したい気持ちへの手助けのひとつ。」2023年3月号

「練習しなさいと言わないと、やらないのです」というお話を時々伺います。自分から練習するようになってもらいたいと思うのは当然だし、声掛けをすることで雰囲気が悪くなったりケンカになってしまったりするのは嬉しいことではありませんね。

とはいえ、自分から練習をするというのが理想ではあっても、理屈通りにはいかないのが日常生活というものでもあります。やらなければと思っていてもついダラダラしてしまうのも当たり前と言えば当たり前で、そんな時に練習のきっかけ作りとして声掛けが役に立つなら、それは決して悪いことではないと思います。

声を掛けられるのを嫌がる場合、おそらくそれは声を掛けられるのが嫌なのではなく、「強制されるのが嫌」「怒られるのが嫌」ということなのではないでしょうか。それなら、強制と感じさせず、怒られていると感じさせない声のかけ方を工夫すればよいのかもしれません。

例えば、何時になったら声をかけるのか、どんな言葉で言ってほしいのか、子どもの気持ちを聞きながら一緒に考えて決めておけば、強制されたという感覚はあまり持たずにすむのではないかと思います。

怒られていると感じてしまうのは、やはり言う側にイライラした気持ちがあるからだと思いますが、それも当たり前のことだと思います。やらなければならないことをやらない我が子を見ているのは、なかなかしんどいものですよね。私自身は、アドラー心理学の「課題の分離」という考え方が好きで、ピアノの練習をするのは「子どもの課題」だと考えています。これは全て子どもに任せて口も手も出さずに放任するということではなく、子ども自信の成長したい気持ちを信じて、その子が望む手助けには力を惜しまないということなのではないかなと、全く自分流に解釈しています。

もちろんこれが誰にとっても正しい考え方なのだと言うつもりはありませんし、それぞれのご家庭にとっての正解があるのだと思いますが、こんな考え方もあるという一例として頭の片隅に置いていただくのも良いのかなと思います。

練習への声掛けを、成長したい子どもに寄り添う手助けのひとつとして活用できたら、子どもにとっても安心感のある、親子での練習への取り組みになりそうな気がします。

練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!