練習する子の育て方2021年

毎月教室で発行しているNews Letterに掲載しているコラムのうち、2021年の分をこちらにも掲載いたします。

2015年8月の掲載開始時より2019年までのコラムは、こちらに掲載しております。

2020年のコラムは、こちらです。

 

【目次】

65.「成長したい気持ちを信じて励まし続けること。」2,021年2月号

66.「手の届くところから、少しずつ練習時間を増やそう。」2021年3月号

67.「自分にとっての楽しさを、大切にしよう。」2021年4月号

68.「毎日まとまった時間練習する習慣がつけられたらいいですね。」2021年5月号

69.「今出来ないのは、何かがちょっと足りないだけ。」2021年6月号

「成長したい気持ちを信じて励まし続けること。」2021年2月号

このところ、予想を超えた成長を見せてくれる生徒さんが続出して、びっくりさせられています。

自分でどんどん譜読みを進めていたり、次の曲を自分から弾き始めて弾けてしまったり、分からない楽語の意味を次々と質問したりと、与えられることを待っているのではなく、自分からさらに先に進んでいこうとする意欲を、見せてくれているのです。「子どもは自分を成長させる力を持っている」と私は思っていますが、こういう姿を見ていると、まさにその力が発揮されている状態だなと、子どもの逞しさを感じています。

このような生徒さんたちは、総じて楽しそうです。自分を、少し先の段階へと押し上げようとしているのですから、当然努力は必要だし、それなりの負荷もかかっていると思うのですが、嫌がっていないのですね。自分を成長させる努力というのは、大変さはあっても楽しいものなのだと思います。自分からどんどん吸収して楽しく伸びていくのですから、成長のスピードも速いです。

ならば大人の役割は、そんな力が発揮できるようにサポートすることなのかもしれないと思います。やり続ければ出来るようになる自分、目の前のことに取り組む力を持っている自分への信頼感がなければ、わざわざ大変なことをしたいとは思えないでしょうから、そういう力を発揮した瞬間を見逃さずに、子どもの力を信じて、励まし続けていけたらいいですね。

練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!、

 

 

「手の届く所から、少しずつ練習時間を増やそう。」2021年3月号

「毎日練習する」というのは、一番簡単な上達の方法だと思います。忘れる前に復習することで新しい曲も記憶に定着しやすくなりますし、「弾く」という技術の習得には反復練習が欠かせません。

けれども、毎日練習いているのに、なかなか上達しないということもありますね。椅子の高さが合っていなかったり、指の形が出来ていなかったり、間違った音やリズムでやみくもに繰り返していたりと、色々な理由があると思いますが、やはり一番単純で大きな原因は、練習時間の短さかなと思います。1日1回弾くだけの練習でも、毎日やっていることにはなりますが、よほど注意深く弾いていない限り、間違えている所はそのままということになってしまいそうです。

そこで、なかなか上達しない場合は、毎日の練習量を少しずつ増やすことを考えるのが良いかなと思います。その時に大切なのは、本人が納得して、これならできると思える所から始めることですね。ゼロから1にするのは大変ですが、すでに毎日練習するという一歩は踏み出しているのですから、1から2、2から3と、少しずつ練習時間を長くしていけたら良いなと思います。

練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!、

 

「自分にとっての楽しさを、大切にしよう。」2021年4月号

まだピアノを始めたばかりの幼い子どもが、夢中になって一音だけの曲を弾いている様子は、とてもかわいくて心を和ませてくれますね。いわゆる「演奏」という視点から見れば拙いものだし、そもそも演奏と言えるかどうかも分かりませんが、心と体を存分に使って楽しんでいる姿は、そのままで素晴らしくて完成された音楽の世界であるように感じられます。

けれども少し大きくなると、お友達と比べてなかなか上手にならない自分を卑下する気持ちが出てくることもありますね。もちろん周りが見えてくれば、誰かと比較したくなるのは当たり前ですが、やはり大事なことは、「自分にとって楽しいかどうか」ですね。たとえいわゆる上手な演奏ではなくても、その曲を弾くことが楽しかったり、弾けるように努力する過程が嫌でなかったり、あるいは自分の演奏を、周りの人が喜んでくれるのが嬉しかったりするのであれば、それは尊重されるべき大切な世界だと思うのです。楽しいという気持ちに、優劣はありませんよね。

だから誰かと比べて卑下する必要は全くなくて、胸を張って自分にとって楽しい時間を過ごせばよいのですね。もちろん周りの大人も、そんな世界を尊重してあげたいです。(逆に誰かを見下したりすることも、もっと上手な誰かと比べて自分を卑下することと同じですから、あまりよろしくありませんね。)

幼い子どものような無心な楽しさの世界を尊重しながら、技術や感覚を磨いて楽しさの質を高めたり深めたりしていくのが、レッスンなのではないかと思っています。

練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!、

 

「毎日まとまった時間練習する習慣がつけられたらいいですね。」2021年5月号

ピアノを習うのは、人生を豊かにするためですね。出来なかったことが出来るようになっていく過程を通して自分の成長を感じる嬉しさや、音楽の美しさを感じて表現できる喜びは、人生の核にもなり得る大きな財産だと思います。ピアノが弾けなくても何も困ることはないけれど、生徒さんたちが、ピアノを弾いて豊かな時間を過ごせる人に成長してくれることは、大きな願いです。

けれどもそんな豊かさは、すぐに手に入るものではありません。ピアノを楽しむためには、知識と感性に裏付けられた技術が必要ですね。小さい頃から音楽への感覚を持っていたり、集中して取り組む楽しさを知っていたりして、あまり苦労することなく上達していく生徒さんもいますが、私を含めて多くの場合は、ちょっと大変な思いをしながら練習を重ねて、技術を身につけていくのだと思います。

レッスンの約束にしている「毎日の練習」は、やはりとても大切です。それも、1回弾いて終わりではなく、繰り返し同じテクニックの練習をしたり、同じ曲を弾いたりする反復練習をすることで、身についていくものなのですよね。

1日1回弾くだけの短い練習でも、弾けるようになってはいきますが、そのスピードはゆるやかです。もちろん、それがその子にとって心地よいピアノとのかかわり方ならば、尊重すべき大切なものだと思っています。けれども、もし毎日少し長い時間練習することが出来るようになったら、自分でも上達が感じられて、より楽しくなるかもしれませんね。

子どもの時期に、毎日ある程度まとまった練習をする習慣をつけることができたら、ピアノがその子の人生を豊かにする可能性が、より高くなりそうです。今5分練習している人は10分を目指して、20分練習している人は25分から30分を目指して、繰り返し練習する習慣を付けることが出来たらいいですね。

練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!

「今出来ないのは、何かがちょっと足りないだけ。」 2021年6月号

ピアノは、新しい曲になるたびに新しいチャレンジです。全然弾けない所から弾けるようになっていく過程を、毎回味わえるのですね。これを続けているうちに、弾けるようになるまでの時間や労力が少なくなっていくことも感じられて、少し長いスパンでの自分の成長も実感できます。その嬉しい気持ちから、自分への信頼感や自信も育っていきますね。

でも、そうならない場合もあります。楽譜が読めないままだと、毎回読めない自分を確認することになってしまうし、指の形や指使い等を守れないままだと、弾けない自分を確認することになってしまいます。出来ない自分を確認し続けるのは、楽しくありませんね。

なので、やはり最初から、テキストに出てきた音を一つずつ覚えて読めるようにしていく癖や、弾き方の指示に気を配る癖はつけておきたいです。基礎力というのは何といっても大切で、これがあるから新しい曲にも挑戦できて、その過程で成長することが出来るのですよね。

では、もし今基礎力がついていなくて、ピアノに向かうことが、出来ない自分を確認する作業になってしまっている場合は、どうしたら良いのでしょうか。こうすればOK!というような特効薬は見つかりませんが、ほんの少しでも出来るようになった所を見つけて一緒に喜ぶことで、もしかしたら出来るかも、という自分の可能性を感じてもらえたらとは思います。今出来ないのは、ただ読譜が追い付いていないだけ、ただ指示が守れていないだけで、その子の全人格でピアノが出来ないわけではないのですね。今出来ないということは、出来るようになる可能性がたくさんあるということでもあります。ちょっと意識して出来ていない所を補強したり修正したりして、成長の喜びを感じられる機会になってくれたらいいなと思います。

練習を通して、ピアノが弾ける喜びと自信をさらに大きく育てましょう!(^^)!